組織社会化②

こんにちは🍒

じめじめした季節ですね。今日は卒論で思案中の組織社会化について調査した、前回の続きです。


前回は、組織社会化を進めるためには、組織側の社会化戦術と個人側のプロアクティブ行動のフィードバック探索の両方が重要であるというところまでわかった。


このように個人側が組織に入る前に意識的・無意識的にその組織に関する情報を摂取することを予期的社会化と言う。予期的社会化は組織と個人のマッチングを高めるという良い側面と非現実的な期待を抱かせてしまうという負の側面がある。


予期的社会化によって起こる負の側面をリアリティ・ショックと言う。事前の予期的社会化によって形成される高い期待と実際の組織生活の中で知り得た現実とのギャップによって起こる落胆や衝撃のことを表す。


だけれども、心理学者のエドガー・シャインはリアリティ・ショックによって短期的には組織への適応が阻害されるが、適切に対処しさえすれば、長期的にはキャリア発達をむしろ促進する可能性があると指摘している。リアリティ・ショックの個人側の課題は①組織の現実を受け入れること、②自分が正しいと信じてきたやり方が組織の中では必ずしも正しいとみなされないことを理解すること、③その組織での働き方を学ぶこと、④上司との付き合い方を学び、評価の仕組みを学ぶこと、である。


しかし、過度な組織化の要求はそもそも個人にとってストレスとなるし、個性豊かな個人を強引に組織へと適応させることは組織の中の変革やイノベーションの芽を摘んでしまうことになる。この過剰な社会化によだて、個人の個性が犠牲となる状態を社会化過剰と言う。


これまでのように、組織社会化は組織の浮沈を握る重要な問題である。組織社会化は個人を組織へと惹きつける力と個人を組織から遠ざける力を絶妙にバランスさせる必要がある。


組織社会化は良い面と悪い面のバランスを考え、何がその組織に会うのかを吟味する必要があると考えます。1人ではできないことを組織という大きな母体で行うことで大きな力になります。その力をどう最大化するのかを考える上で、組織社会化は一つの指標となると考えます😊

 


[参考文献]

鈴木竜太・服部康宏(2019)『組織行動:組織の中の人間行動を探る』有斐閣