天職感は邪魔になる?

すやかです🌞

天職について調べ、インタビューをする中で「自分にとっての天職が何かを認識しさらにその職業に今現在就けている」という状況はなかなか難しいのだと改めて感じています…そこで「叶えられないコーリン」について書かれた論文を読みました。

 

コーリンとは客観的に見て「向いてる」職業ではなく主観的に考えてよいものとされています。天職感と思ってください!私の感覚からすると天職に就くってそりゃ熱心に働けるし苦じゃないんだろうから良いこと尽くしじゃん、と思っていたのですが、コーリングにはネガティブな面があります。①コーリングを感じる職に就いていても、職場の環境や待遇などの障害があると(コーリングを持たない人よりも)強い幻滅感や否定的感情が生まれ退職に至るケースがあること②そもそもその職業に就けないと強いストレスが生まれることの2点がこの論文では現実的課題として明らかにされていました。

 

次に以上2点の現実的課題に対する対応が取り上げられています。①ジョブクラフティング:仕事の再設計。仕事の境界・人間関係・職務に対する自分の認識・受け止め方を変えることレジャークラフティングの2つの活用です。レジャークラフティングでは特に、代理経験(家族や知人、芸能人など他の人がその職に就いているのを見る)と趣味活動への参加(ボランティア活動などを通してコーリングに近づく)が挙げられます。

 

コーリングのもつネガティブな側面は理解できましたが、それに対応するのは本当に自分でやるしかないのかと疑問に思いました。職場で個人が出会う障害には様々あるはずです。休暇の問題であったり労働条件であったり、家庭とのバランスなんかも。そういった障害に対して「考えを変える」「職場以外でコーリングに近づく」ことが果たして効果があるのか…ただ逃げてはいけないのか?職場を変えるしかないこともあるんじゃ…?と感じました。

 

参考:柏木仁(2019)叶えられないコーリング一現実的課題と対応一,亜細亜大学経営論集,第54巻第2号,19-33